二つ前の投稿にて、〈助動詞+完了形〉を説明しました。その際これを覚えておくと絶妙なニュアンスを表現する際に大いに役に立ちますとお伝えしました。今回も大学入試でもよく狙われる助動詞を用いて表す絶妙なニュアンス、慣用表現を2つに分けて説明しますのでぜひお付き合いください。
「Vせずにはいられない」
「Vせずにはいられない」を表す際には、cannot を用いて
cannot [can’t] help V-ing と表します。
なぜ help を使うのか、なのですがここでの help は「助ける」という意味で考えると理解が難しくなります。help を辞書で引くと〈避ける、抑える、制する、禁じる〉という意味があり、「避ける」この意味になる際にはcan, もしくは can’t とともに用います。つまり、
〈cannot [can’t] help V-ing〉とは「〇〇することを避けられない」→「〇〇せずにはいられない」
となると理解していただけると思います。
またこれには言い換えが存在します。上の表現の言い換えが出題されることもありますので合わせて覚えておいていただきたいと思います
・cannot [can’t] but V
・cannot [can’t] help but V
となります。では例文で考えてみましょう
・I couldn’t help drinking water.
・I couldn’t but drink water.
・I couldn’t help but drink water.
この3つの例文全て「水を飲まずにはいられなかった」という意味になります。
後半2つは cannot [can’t] (help) but Vと一度に二つを覚えると比較的覚えやすいと思います。後半2つは help は省略できるという考え方ですね。ただこのとき help を省略した場合には文語的な使われ方をすることが多いので、話し言葉の際には help は使った方が無難と言えます。
「いくらVしてもしすぎることはない」
「いくらVしてもしすぎることはない」を表す際には cannot を用いて
cannot [can’t] V too 〇〇 と表します。
too のあとには形容詞や副詞が続きます。例えば be careful で考えると、You can’t be too careful when you drive.「運転する際にはいくら気を付けてもしすぎることはない」となります
too 〇〇、で「〇〇すぎる」となりますね。それを cannot で否定することで「〇〇しすぎることはできない」→「いくらVしてもしすぎることはない」という意味になります。
例文 I cannot thank you too much.「あなたには感謝してもしきれない。」
「Vするのももっともだ」
「Vするのももっともだ」を表現する際には may [might] と用いて
may [might] well Vと表します。使う場面は相手の発言や言動がもっともであったり、理解できるときに使います。〈may[might]〉には推量の意味があるので、〈well〉「十分に」と合わせることで「十分にVすると想像できる」という感じで理解していただければと思います。
例文 You may well wonder why I have brought you here.「なぜあなたをここにお連れしたのか、不思議に思われるのもごもっともです」
またこの慣用表現にはもうひとつの意味があり、「たぶんVするだろう」という意味があります。この時も同じく〈may[might]〉には推量の意味で考え、〈well〉も「十分に」という意味を今度は「十分にVがありえるだろう」と考えてもらえれば理解していただけると思います。つまり高い可能性を表す際に使います
例文 Her grandfather may well be over eighty.「彼女のおじいさんはたぶん80過ぎだろう。」
「V(2)するくらいならV(1)したほうがましだ」
「V(2)するくらいならV(1)したほうがましだ」と表現する際には助動詞 may を使って
may [might] as well V(1) as V(2)と表します。考え方は推量の〈may〉と、「同じように」の as well を合わせて「同じようなものだろう」ということをベースで考えてください。ここでひとつ皆さんにお話ししたいことがあります。
I may as well be hanged for a sheep as a lamb.ということわざがあります。これは「子羊のために縛り首になるくらいなら大人の羊を盗んだために縛り首になったほうがましだ」という意味なのですが、昔のイギリスでは盗んだ家畜の大きさにかかわらず同じ罰に処されていたから、どうせ罰せられるなら肉の多い大人の羊を盗んだ方がマシだ、ということを言ったことわざです。
may [might] as well V(1) as V(2) にこのことわざをわかりやすくあてはめると、
I may as well be hanged for a sheep as (be hanged) for a lamb. となり、be hanged を省略していたかたちです。
このことわざのイメージがmay [might] as well V(1) as V(2) に強く影響し、本来とは違う「「V(2)するくらいならV(1)したほうがましだ」という意味を持つようになったと言われています。
例文① I may as well go out as stay home.「家にいるより外出した方がいい」
例文② You might as well throw your money away as spend it on gambling.「お金をギャンブルに使うくらいなら捨ててしまったほうがいい」
might を使う場合は現実味の少ないことを言う場合です。お金を捨てた方がマシだ、とは言って実際に捨てる行為は非現実であるため、例文②ではmight を用います。
いかがでしたか。今回は文章が非常に長くなってしまったため、一度記事を区切ります。大変申し訳ありません。続きは明日に投稿します。(執筆がおわりましたのでよろしければそのままコチラをクリックしてください)


